先日話題になった牧場のお話。
元々は父が住んでおりまして、大変な馬好きでサラブレッドを飼っておりました。
競馬ではなく、馬術競技に出ていた馬です。
(私は馬には興味はありません。)
父は自分で乗馬もしておりましたが、年をとるにつれてそれも出来なくなり。
だからといって、”処分”は嫌だと。
馬も家族だから、最後まで面倒をみると言って頑張っておりました。
そんなわけで、半分家族のような扱いだったわけですが、
何しろデカいわ(肩の上の部分で170cm程)、餌の量も半端じゃないし、
出る物(糞)もね。
厩舎の掃除も大変です。
そのスケールはやはり、犬・猫とは比べ物になりません。
やはり、一番大事なのは餌の確保。
夏の間はその辺に離しておけば勝手に草を食べておりますが、冬の間は干し草です。
競走馬などはどうしているか知りませんが、大体は干し草を買って与えるか、
牧場で干し草を自家生産するかでしょうかね。
我が家でも、夏の間に牧草を刈っては干し、それを束ねて山積みにしておきます。
それを冬の間に与えるのですね。
その干し草を2頭分蓄えるのがかなりの重労働です。
北海道などの何百haもある様な広ーい牧場で、馬の生産が商売であったりすれば、
トラクターで牧草を刈って、集めて、梱包するというように全て機械化されております。
↓こんなやつです。これができればどれだけ楽か。
↓こういう奴も時々見ますが、これはビニールでグルグル巻きにして、中で牧草を中で発酵させるんですね。馬は発酵した草は食べませんので、おそらくは牛用。
昔はサイロの中でで発酵させていたのですけれど、それの進化版だと思われます。
しかし、個人の言わば道楽のためにそれだけの機械を揃えることはとても無理。
おまけにご老体の馬二頭。いつまで生きているかも分かりません。
草刈り機やトラクターはありますが、それらを使って刈った草を集めて天日干しにするのです。
十分に乾いたら、ある程度の大きさにまとめて縛る。
↓これは稲の天日干しです。”ハザ掛け”と言われるものですが、これの牧草版をやるわけです。
ちょうど今の時期に、炎天下の中で。
手伝ったこともありますが、そりゃ大変な作業でしてね。
下手をすると本当に熱射病になってしまいます。
ただ、年を経て馬たちも年を取っていき、一頭、また一頭と亡くなっていきました。
これがまた大変でしてね。
猫や犬ならばかかえられますので、スコップで掘って埋めてやり、お墓を作ってあげられます(実際にその牧場にはペット達のお墓がいくつかあります)。
しかし、馬となると体重は400-500kg !!
人間の力ではびくともしません。
それはもう、重機を使わなければどうしようもなく。
二頭目が亡くなった時には、私も呼び出されておりましたので、
父と二人で重機を使って厩舎から出し、大きな穴を掘ってお墓を作ってあげました。
さて、高齢の父は大好きな馬(父にとっては家族)に先立たれてしまい、
かなり落ち込みました。
・・・が、私達は内心「やっとこれで父も楽になる」と一安心。
いつまでも、馬の牧草作りは無理だからです。
一頃、そろそろ無理だからと、乾燥した牧草を購入したことがありました。
ところが馬がそれを食べないんです。
その理由は・・・恐らくは農薬もしくは着色料です。
購入した牧草を水に浸しておきますと、一晩でその水は真っ青に染まります。
何かが溶け出しているのですね。
馬はそれを分かっていたのです。
「農協ではこんなものを平気で売っているのか」と父はしばらく憤慨しておりました。
その一件があってから、やはり牧草は自分で作るに限る(農薬など一切使っていない)という事になってしまいました。
お馬さんは病気ではなく、どう考えても老衰でしたのでね。
長い間父にかわいがられて良かったと思います。
「これで重労働をしなくて良い」という意味ではホッとしましたが、
今度は家族を亡くした父の精神状態がアヤシイ・・・。
それを、少しでも早く忘れさせようと、あることを考えました。
ツリーデッキの作成
これです。
以前から興味はあったのですが、子供たちも喜ぶでしょうし、
この際父と二人で毎週末作ろうという事に。
いろいろ考えたり、作ったりして気を紛らわせる作戦です。
まあ、そのお話は別記事で。
話が長くなってしまいましたが、現在その牧場には猫のショウちゃんしかおりません。
それで、時々私が行ってはショウちゃんや牧場の様子を見てくるわけですな。
牧場も家も人が住まなくなると、あっという間に廃れていきます。
牧草も父に刈られないので伸び放題ですしね。
時々、私が機械で刈っております。
その機械というのは、言ってみればゴルフコースの芝刈り機を想像していただければよいかと。
走る車の腹の下で、刃がブンブン回っていて、気持ち良いぐらいに草をバリバリ刈っていきます(刈り倒すだけでなく、細かく切り刻んでしまいます)。
刈った草は馬の食糧にするわけではないので、そのまま放置すれば、腐ってまた土の肥料になるわけですな。
↓こんな感じで。
10才の息子が楽しんでやっております。気持ちよさそうでしょ?
最低速度ですけれどね。
(私がやる時には、エンジンの負荷の範囲内の最高速度で刈りますがw。まあ、子供にとってはカートに乗っているようなもんですね。
ちなみに、シートに重量センサーが付いていて、機械から落ちたりするとエンジンが止まるようになっております。また、機械の底にあるカッターは完全に鉄のフードで隠れていますので子供でも大丈夫ですのでご安心を。)
私も、小さい時からトラクターを運転させてもらって嬉しかったのを覚えています。
なんだかんだと、週末にもやることがたくさんあって忙しいんですよ。