過去にこの様な記事を書かせて頂きました。
「タップ交換をするための簡易旋盤を自作したい」から始まって、いろいろと調べているうちに似たような事を考えている方がいらして、すでに製品化されている事が分りました。
それを購入いたしました所、十分役に立ちました。
さて、最近twitterのTLで目にして↓このような製品を知りました。
「Cue repair desire」
先に購入した製品でも十分タップ交換は可能です。
ただ、改善するとすれば、
①回転数が遅め:タップのRを整形するのにはもう少し回転数が早い方がやりやすい
②動力に電動ドリルを使用しているため音がでかい
それらを改善するにはドリルではなく、小型のモーターが必要だろうと思っておりました。
この「Cue repair desire」はそれを実現しておりまして、しかも回転速度を調節できるしくみです。
モーターの回転軸にちょうどシャフトの根本位の太さのゴムの短いホース状のものが着いていて、そこにシャフトをねじ込んで設置します。
後はアルミ製?の土台に回転するシャフトを支える部品が3箇所。
またタップを削る際のナイフの支え(先端ジグ)になるパーツが一つ。
どのパーツもネジで土台にガッチリ固定できますので、安定感があります。
実際に動かしてみますと、やはりドリルと比べると静かで、回転が速い。
シャフトのブレもほとんどなくsmoothに回ります。
実際にACSS proのタップ交換をしましたが、順調に作業できました。
やはり、良いと思うのはシャフトの回転がきれいである事です。
これは旋盤の命です。
やはりモーターが水平に固定されて軸の回転がしっかりしているし、回転するシャフトを保持する「シャフトホルダー」が効いているのだと思います。
(この「シャフトホルダー」には2つないし3つのゴム製のタイヤみたいな回転子がついていて、回るシャフトを支えます。
これがシャフトの傷つけるのではないか、もしくは汚れるかもと思いましたが、使ってみると一切そのような事は有りませんでした。
気になるのであれば、そのゴムが当たる部分にマスキングテープを巻いておけば全然心配ありません。
マスキングテープはどのみち、タップの側面を削る際に先角が傷つかないように、もしくはタップの接着のアロンアルファがつかないように巻いた方が良いので準備が必要です。)
回転速度を調整できるのも嬉しいです。
タップの側面を削る際には遅めの回転、Rの整形時には早めの回転にするとゆがみがなくRを出せます。
個人でタップ交換をするツールとしてはこれ以上を望む必要はほぼないかと思います。
敢えて改良点を上げさせていただくと、
1.モーターの回転方向も切り替えられると便利。
私は↑こういう厚めの刃を使っているのですが、片刃のためにタップに当てる方向が決まってしまいます。
刃の断面はこういう向きですのでね。
回転の向きを変えられたら便利です。
2.タップを削る刃物を支える部分(先端ジグ)は改良の余地があるかも
このジグにナイフを当ててぶれないように固定しながらタップに当てていきます。
この先端ジグはスライドは出来ますが、高さは一定ですので刃の当て方に制限が掛かってしまうと言う訳です。
上記1.2.はどちらも、「そうであればより使いやすいだろう」と思う位のもので、現状でも十分きれいに早くタップ交換が出来ます。
そんな訳で、「簡易旋盤のほぼ究極版」のお話でした。
興味がある方はcue repair desireで検索してくださいませ。
追記)
なんて、上記書かせて頂きましたが先程サイトを眺めていましたら、ちゃんとオプションで用意されておりました。
「刃台バー」という刃を載せるためのパーツと、「逆転プラグ」という回転方向を反対にするためのプラグ。
すみませんでした!
早速購入させて頂きます!