さて、世界中で先日の日本vsポーランド戦についての反響があるようです。
想像どおり、終了間際のパスを回しての時間稼ぎが潔くないという意見が多いようですね。
私もこれを実際に見た時、複雑な心境でした。
これでいいんだろうかとね。
それで、どうしたら一番良かったのか、考えてみました。
選択肢としては
①相手にボールを取られて、カウンターなどで失点してしまう事を覚悟で、最後まで勝ちにこだわって攻める。その結果、同点もしくは逆転した!
→GL突破
②失点してしまう事を覚悟で、最後まで勝ちにこだわって攻めた結果、カウンターで追加失点してしまう。
→GL敗退
③相手にボールを取られて、カウンターなどで失点してしまう事を恐れて、パスを回して時間を進める。後は、セネガルvsコロンビアが0-1のまま終了に期待する。
→GL突破
④相手にボールを取られて、カウンターなどで失点してしまう事を恐れて、パスを回して時間を進める。ところが、アディショナルタイムでセネガルが得点し、1-1となってしまった。
→GL敗退
これしかないわけです。
一番かっこよく、世界中で褒め称えられるのは、間違いなく①。
①が出来る力と状況があれば悩む必要もない。
そもそも、そんな力があれば悩ましい状況に陥らないし。
しかし、主力組を休めるため6人というメンバー変更をしており、
3人の交代枠も既に使い切っている状況なんです。
あのメンバーではその力が無いから悩むのです。
(「そもそも、主力組を休めるなんて余裕を出している場合か?何でベストメンバーで行かない?」と言う意見もあるでしょうが、西野監督はbest 16の上を狙っていると思います。何が何でも今まで行ったことのないところへ挑戦しようと。そのためには今の時点で体力を使い切るわけにはいかない。)
①のつもりでやった結果、失敗して②GL敗退の可能性がある。
(②の場合でも世界中に嘲笑されませんか。「実力もないのに格好ばかりつけやがって」「華々しく散ってくれて乙w」とかね。挙げ句の果てに監督の無能扱いでしょうね。)
最悪なのは、④。
姑息(と思われがち)な手段を取ったあげく、目論見が外れて日本は敗退。
これは目も当てられない。
この可能性は十分にありましたが幸いに現実には③になったわけですけれど。
さてそう考えると、②と③のどちらかしかないんです。②を選んで①の結果になる事もあるし、③をしてみたら④という事もあり得ますが、②③どちらを選ぶか。
その判断は、「当事者」かどうかで大きく違うでしょうね。
たかが”ひとごと”であれば、口先だけでいくらでも格好の良い事を言える。
私たちサポーターも含め、世界中の観客、マスコミの立ち位置はみんな一緒。
「ひとごと」なんですよ。
あーだこうだ、偉そうな事を言っていても、その発言に責任なんぞ伴わない。
いざとなれば「本田さんごめんなさい」「川島さんごめんなさい」で終わり。
世界中で勝手な事を言っておりますが、まずは自分の国の事だとしたらどうなのさって話です。
自分が監督だったらどうするのか、想像してみてください。
自分が選手で、しかも個人戦で。
自分の判断を自分で責任を取るなら決断は簡単。やりたい事をすればいいんです。
しかし国の代表として出て行っているチーム競技のワールドカップです。
国の期待を背負っている。
ここで負けるわけにはいかない。
②を選択して格好良く敗退?
これまでの努力を、ただ格好良さを追求して棒に振る?そんな軽い4年でしたか。
それとも、批判されようが何しようが次に繋がる一番確率が高いと思われる方法を選ぶか。(ただ、どうしてセネガルが追い付けないと踏んだのかは私には分りません。)
こうやって私が考えているように、時間をかけて決断しているようでは監督失格です。
ゲーム中の数十秒で決断しなければいけません。
そのプレッシャーと迅速な判断を強いられて出した答えが③。
(でも、きっとこういうことになったらこうすると、前もって決めていたはずですが)
その結果、GLを無事抜けられたのは本当にラッキーでした。
それを誰が責められますか。
自分たちの代表として送り出した監督や選手達のする事を素直に応援してあげませんか。
煮え切らないところはあるでしょう。
こうであって欲しいと言う理想とも違うかも知れない。
でも、その意図していることは皆さんわかりますよね。
(実際、普通のゲームでも1-0で勝っているチームが時間稼ぎで玉を回す事なんて良くありますよね)
ならば、応援してあげましょう。
彼らは自分達だけのためだけに戦っているわけでは無いんです。
批判するのは全て終わった後で良いんです。
そもそも絶対的な実力があったらこんなことで悩む必要もない。
その力が無いのに頑張って行こうという場面で出てくる究極の選択なんですから。
自分たちの判断は正しかったと自信を持ってベルギーにぶつかってください。
これからの戦いは、それこそ全力勝負ですから。
追記)
①セネガルのイケメン監督が「フェアプレーによって敗退が決まったが、私はこのチームを誇りに思う。これもルールの一つだ。ルールをしっかりと頭に入れ、予想しなければならなかった。別の方法で突破したかったし、この戦いぶりで敗退してしまったのは残念だ」と。
ただ日本と違うのは、セネガルにはあの時点での「選択肢は一つしかなかった」と言う事。
GLを抜けるには、がむしゃらに得点を目指すしか選択肢がなかったわけですから。
その姿が「潔い」と見えるのは当然と言えば当然。
でも、泣き言を言わないこの監督は大物だと思います。
②私は「にわか」です。でも純粋に日本チームを愛国心から応援している。 専門的なサッカーの知識もないかもしれない。でも自分の国の代表選手を叩くコテコテのサッカーファンもいる。
自分はにわかと違うんだ。これだけサッカーを愛していて造詣も深いから、サムライジャパンの不甲斐ないところに腹が立つ。
でも、本音は勝って欲しいでしょ?
同じじゃ無いですか。
なぜケナすんです?批判したら勝てるようになる?
それはワールドカップの本番中にやることではなく、準備中にやることだと思いますけれど。